仏教とは?

 仏教は今から2500年前、インドにてお釈迦さま(仏陀ぶっだ)が悟られた真理を説いた教えです。お釈迦さまは自分の心を深く観察することによって悩み・苦しみが生じる原理を突き止めました。それは「煩悩ぼんのうにより汚れた心」が全ての苦しみの原因であり、心を清らかにする正しい実践によってあらゆる悩みが消滅し、 幸せに生きることができるいうのが根本的な教えです。人生は思い通りにならない事だらけですが、仏教には普遍的な人間の本質や、世の中の道理などが説かれており、それらを学び自分を変えていくことで日々の小さなことにも喜びや感動、ありがたみを感じ、また円滑な人間関係を築くことにも繋がります。それはきっと家庭や仕事などにも良い影響を及ぼすことでしょう。

真言宗の教えとは?

 真言宗の教えは、弘法大師空海こうぼうだいしくうかい(774〜835)によって完成されました。その教えは、自分自身を深く見つめ、「仏のような心で」「仏のように語り」「仏のように行う」という生き方の実践により、自身が本来持っている「 仏心 」を「今このとき」に呼び起こす即身成仏そくしんじょうぶつを目指します。この教えをもとに人々がともに高めあっていくことで、世界の平和がもたらされ、こころ安らかな理想社会が完成するのです。

弘法大師空海
真言宗豊山派について教えて下さい

 弘法大師によって開かれた真言宗は、 東寺とうじ や 高野山こうやさん を中心に広められます。その後、平安の末期に 興教大師こうぎょうだいし覚鑁上人かくばんしょうにん によってさらに新しい力が吹き込まれると、紀州に 根来寺ねごろじが創建されました。鎌倉時代になり、 頼瑜僧正らいゆそうじょう によって新義真言の教えが成立しました。宗団は根来寺を中心に栄えましたが、戦国時代の戦渦により、 専誉僧正せんよそうじょう をはじめ多くの僧侶が根来寺を離れることになりました。その後、豊臣秀長公によって奈良の 長谷寺はせでら に招かれた専誉僧正は豊山派をおこし、長谷寺は学山として栄えました。豊山派の派名は長谷寺の山号「 豊山ぶさん 」に由来します。江戸時代、五代将軍 徳川綱吉とくがわつなよし 公の生母である 桂昌院けいしょういん が音羽(現文京区)に護国寺を建立し、豊山派の江戸の拠点として末寺を増やしました。現在は、全国に3,000カ寺、僧侶数5,000人、檀信徒数200万人をほこる、真言宗有数の宗団となっています。

出典:真言宗豊山派公式サイト

菩提寺とは?

 ご家族のお墓があるお寺のことを菩提寺ぼだいじと呼びます。菩提ぼだいとは「悟りの境地」のことをいい、菩提寺とはご先祖やご家族の大切な方を供養し弔い、安らかな悟りの世界に導くお寺のことをいいます。圓勝院は阿弥陀如来あみだにょらいを本尊としてお祀りしています。菩提寺の本尊さまはお檀家の皆さまを一番近くから見守り、またさまざまな祈りや願いの後押しをして心を支えてくれる存在でもあります。ご来寺の際にはまず本尊さまを参拝しましょう。また境内の各参拝箇所にもお参りし、あらゆるご縁への感謝の祈りを捧げましょう。



袈裟けさとはなんですか?どのように扱うものですか?

 古代インド人が身につけていた衣服が袈裟の原型です。お釈迦さまの弟子たちを他と識別できるようにお釈迦さまが衣類に独自の色と形を定めたのが袈裟の始まりであることから、袈裟は仏教教団の象徴でもあります。
 一般の方向けの袈裟を輪袈裟わげさ(※)といいいます。輪袈裟は簡略化された袈裟の一種で、仏事における檀信徒の正装となります。ご法事・ご葬儀・お寺の行事への参列の際、またはご自宅で仏壇に向かうときに着用ください。袈裟は大切に取り扱い、お食事の際、お手洗いに行く際には必ずお外しください。

 ※ 正式には半袈裟はんげさといいます。

輪袈裟のかけ方
塔婆とは?

 古代インドではお釈迦さまを偲ぶためにそのご遺骨を祀ったたくさんの仏塔(ストゥーパ)が建てられました。お塔婆とうばの正式名はこのストゥーパを語源とする卒塔婆そとばといい、亡き方の追善供養のために建てられるものです。お塔婆の形は大日如来を象徴する仏塔の一種、五輪塔ごりんとうを模しており、また両面には大日如来を象徴する梵字ぼんじが書かれていることから、お塔婆は大日如来の御尊像そのものでもあるといえます。つまり、お塔婆をあげるということは、お墓に故人を偲ぶ仏塔を建立し、故人をお守りいただく大日如来の仏像をお祀りすることに等しく、供養における最善行の一つであるといえます。

開眼供養とは?

 開眼供養とは別名「魂入れ」ともいい、真言密教の秘法により礼拝の対象となる物(仏像、位牌、墓、塔婆など)に命を吹き込むものです。開眼供養をしなければ、仏像や位牌などは単なる「物」にすぎません。開眼供養を行うことで、仏や故人の御精霊の一部がその対象に宿り、対象物が仏さま、もしくは故人さまそのものとなり、祈りや供養の対象となるのです。

位牌とは?

 位牌は故人や先祖の霊魂が宿る場所、依代よりしろとなるものです。位牌は遺族が故人や先祖を供養し、思いを伝えるために欠かせないとても大切なものです。

仏壇とは?

 仏壇は家庭の中にあるお寺のようなもので、本尊さまはご家庭での信仰の拠り所となるものです。日々仏壇の本尊さまに向かって手を合わせて祈ることは、ご自身の謙虚な心や感謝の心を養い、心の安らぎへと繋がります。また、本尊さまに亡くなられた大切な方のご冥福を祈れば、その祈りは故人をよりいっそう安らかな世界へと導いてくれる力となるのです。

ご法事の意義とは?

 ご法事は大切な存在だった故人のあの世での幸福を願い、祈りを捧げる儀式で、故人に代わり仏さまを供養し、その功徳くどくを故人に廻向えこうします。功徳とは善行ぜんぎょうを行って得られる果報かほうのことを言い、具体的にはお経をあげたり、布施をしたり、お墓参りをしたりすることで、その行いはいずれその人の人生を幸福に導いてくれるものです。廻向とは、ご法事で生じる功徳を自分のものとせずに、他にめぐらし差し上げることをいいます。功徳を大切な故人をはじめ、ご先祖さま、さらには広く世の中の人々に廻らせることに法事の大きな意義があります。 


法事を予約したいのですが、どうすればいいですか?

 候補日をいくつかお寺にお知らせ下さい。
お寺の予定を確認し、空いている日時をお伝えします。
日時が決まりましたら、改めてご法事のご案内、申込書等を郵送致します。
申込書はご法事の1週間前までにご返送下さい。


お焼香とは? お焼香の作法について教えて下さい

 故人を供養する上で一番のお供え物となるのがお香の香りです。
火種の上に乗せたお香が焚かれることにより、香りが生じるとともに立ち上がる煙はご自身の心と身体のお清めにもなります。
ご参列のみなさま一人ひとりがお香を仏前に供え、心静かに故人の冥福を祈るのがお焼香です。
 

お墓参りについて教えて下さい

 お塔婆、お花などをお供えし墓前を整えたあと、一人ずつお線香をお供えしてご冥福をお祈りしましょう。お焼香は火がついている方を左側に向けお供えします。お供物(食べ物・飲み物)は置いて帰ると、カラスなどが荒らしお墓や周囲が汚れてしまいますのでお参りのあとは必ずお持ち帰りいただけますようお願いいたします。子は親の背中をみて学ぶといいます。お墓をきれいに掃除する姿、大切な方を思い手を合わせる姿をぜひお子さんやお孫さんに見せておきたいものですね。


「ご冥福を祈る」とはどういうことですか?

 ご冥福とは、冥土での幸福、つまり故人のあの世での幸せを願い祈ることです。
どうか安らかにお過ごしください、これからも私達をお見守り下さい、など、故人への思いを心に念じお祈りしましょう。


お彼岸とは?

 お彼岸とは「春分の日」「秋分の日」を中心として、その前後 3 日間をあわせた 7 日間をさします。お彼岸は、正しくは「到彼岸とうひがん」といい、彼岸に辿り着くということ。この「彼岸」とは悟りの世界を意味しています。三途の川をはさんで、私たちのいる川岸が煩悩に苦しむ迷いの世界で「此岸しがん」といい、仏さまのいる清らかな悟りの世界である川の向こう側を「彼岸ひがん」と呼んでいます。そして「此岸」から「彼岸」へと、川を渡る舟にたとえられるのが「六波羅蜜ろくはらみつ」の修行で、次の6つの修行を実践することで悟りの世界に近づくことができるといわれております。

  ① 布施 = 見返りを求めずに施しをすること
  ② 持戒 = 自分自身を戒める心を保つこと
  ③ 忍辱 = うまくいかないときでも耐え忍ぶこと
  ④ 精進 = 努力を怠らないこと
  ⑤ 禅定 = 心を落ち着かせ、穏やかな心でいること
  ⑥ 智慧 = 正しいことと間違ったことを見分ける力を磨くこと

 仏教には「中道ちゅうどう」という教えがあり、何事も両極端を離れたかたよりのない道に答えがあるという意味です。お彼岸には昼と夜がちょうど同じ長さになります。 偏りのない心を持って仏道に励むのにふさわしい期間であるお彼岸には、家族揃ってお墓参りするのが昔からの習わしです。お寺のご本尊さまをお参りした後に、お墓をきれいにし、お花やお線香などをお供えして、ご先祖さまや大切な方のご冥福をお祈りしましょう。
 また、お彼岸は先祖より受け継いだ「命」のありがたみに感謝し、先祖供養の習わしを正しく子孫へと受け渡していく絶好の機会でもあります。先祖の大切さ、彼岸を求める心の大切さは理解していても、普段の忙しい日々の中ではついおろそかになりがちです。この機会に、少しでも心を落ち着かせる時間を持ち、自らの行いを省みて、六波羅蜜の修行を意識して過ごしてみてはいかがでしょうか。


お盆とは?
お盆について

 お盆の期間(7月13 ~ 16日、もしくは8月13 ~ 16日)には、亡くなられた大切な方やご先祖さまの御精霊みたまがこの世に戻ってくると言われております。お盆には花を飾り、食物を供え、経を唱え、塔婆を建て、帰ってくる忘れがたき大切な方を丁重に迎えたいものです。

 また四十九日を過ぎてはじめて迎えるお盆のことを新盆しんぼん」といいます(新盆にいぼん初盆はつぼんなどともいいます)。新盆は故人にとって初めての里帰りとなる特別なお盆ですので、できる限り手厚く供養しもてなすのが習わしです。 お盆は離れて暮らす子どもや孫が故郷を訪れる好機でもあります。家族揃って菩提寺の本尊さまやお墓をお参りして、命を伝えてくださったご先祖さまに感謝の手を合わせ、報恩のまことを捧げることには大きな意義があると思います。 

 お盆にはいろいろな風習や作法がありますが、ご自宅に戻られた御精霊を丁寧にもてなし、ご先祖さまより続く命のつながり、そして大切な亡き方に想いを馳せながら共に過ごすということがなによりも大切なことです。

お盆の由来

 お盆という言葉は「仏説盂蘭盆経ぶっせつうらぼんきょう」という経典の盂蘭盆うらぼん(古代インド語のウランバナが語源)からきています。この経典には、あの世で苦しい思いをしている先祖を救うためのお釈迦さまの教えが説かれています。この仏教由来の先祖供養の教えに、中国の儒教・道教の教え、そして祖先の霊をお迎えして慰めるという日本古来の「御霊祭みたままつり」の信仰がミックスされ、今日にみられる「お盆」の風習となりました。